2026.9.12
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【雑学】赤ちゃんの好き嫌いはお腹の中で決まる?ニンジンジュースの実験


離乳食を始めたとき、「なぜこの子はこの味だけを嫌がるんだろう」と感じたことはありませんか?
実はその好き嫌いの土台の一部は、赤ちゃんが生まれるずっと前、ママのお腹の中にいた胎児の時期からすでに作られ始めているという研究があります。目もまだ見えず、言葉も話せない小さな体は、お腹の中にいるときから、すでに味の世界に触れているのです。
今日は、そんな赤ちゃんの味覚のはじまりについて、実際の研究をもとにわかりやすくご紹介します。
【事実】ママの飲み物の味を覚えていた
離乳食で「なぜこの味だけ嫌がるの?」と感じることがあるかもしれません。実はその答えの一部は、赤ちゃんが生まれるずっと前、お腹の中にいた時期にあります。
ママが妊娠中に飲んだジュースの味を、赤ちゃんは生まれたあとも覚えていたという研究結果があります。赤ちゃん自身は、そのジュースを直接飲んだことがないにもかかわらず、です。
【調査】ニンジンジュースの実験
研究チームは、妊娠後期の女性たちに協力してもらい、次のような実験を行いました。
妊婦を2つのグループに分ける
グループ1は3週間、ニンジンジュースを飲む
グループ2は水を飲み、ニンジンを避ける
赤ちゃんが離乳食を始める生後5〜6ヶ月ごろ、ニンジン味のシリアルと、普通のシリアルを与えて反応を比べる
結果、お腹の中でニンジンジュースを経験した赤ちゃんは、ニンジン味のシリアルを食べても嫌がる表情が少なかったのです。ママたちも、その赤ちゃんの方がおいしそうに食べていたと感じていました。
【理由】羊水が運ぶ味の記憶
なぜ、飲んだこともないジュースの味を覚えていられるのでしょうか。
ヒントは羊水にあります。ママが食べたり飲んだりした風味の成分は、血液を通じて羊水にも溶け出すことがわかっています。においの強い食べ物では、食後45分ほどでその香りが強まることも確認されています。
胎児は妊娠12週ごろから羊水を飲み込み始め、28週ごろにはにおいの違いを感じ分けられるようになります。羊水は、いわば赤ちゃん専用の「味の予習教材」。生まれる前から、少しずつ食の世界に触れているのです。
【発見】ニンニク入り母乳も好評!?
実はこの「味の学習」、お腹の中だけではなく母乳でも行われます。授乳期のママがニンニクを食べると、その風味は母乳にも移ることがわかっています。
普通に考えると赤ちゃんは嫌がりそうですが、結果は逆でした。ニンニクの香りがする母乳を飲んだ赤ちゃんは、いつもより長く、たくさん母乳を吸っていたのです。この発見は2025年、人を笑わせ考えさせる研究に贈られる「イグノーベル賞」を受賞しました。
ただし別の実験では、同じ風味を何度も経験すると、この反応は次第に見られなくなりました。赤ちゃんは母乳の"いつもと違う変化"に敏感なだけなのかもしれません。
【実践】妊娠中・授乳中にできること
研究からわかることは、とてもシンプルです。
好き嫌いせず、バランスよくいろいろな食材を食べる
野菜や果物など、将来食べてほしい味も食事に取り入れる
授乳中の食事も、赤ちゃんへの"味の贈り物"だと考える
特別な食事制限をする必要はありません。いつもの食卓が、赤ちゃんの未来の味覚をつくっているのです。
【まとめ】
赤ちゃんの好き嫌いは、生まれてからの食事だけで決まるものではありません。ママが妊娠中・授乳中に味わったものが、赤ちゃんの中に「なつかしい味」として刻まれているのです。
次のごはんのとき、そのひとくちが、お腹の中にいるわが子への最初のプレゼントになっていることを思い出してみてください。
参考文献
Mennella, J. A., Jagnow, C. P., & Beauchamp, G. K. (2001). Prenatal and postnatal flavor learning by human infants. Pediatrics, 107(6), e88.
Mennella, J. A., & Beauchamp, G. K. (1991). Maternal diet alters the sensory qualities of human milk and the nursling's behavior. Pediatrics, 88(4), 737-744.
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